2010/11/21 (Sun) 04:08
新名→←バンビでバンビ卒業後
どっちも好きなのにどっちも言い出せない的な
バンビの名前は当サイト設定の本田悠(ほんだはる)になってます。
嵐さん出てきますがニーナはいろいろ悶々としてますが、
嵐さんのベクトルはあくまで親友で捉えて下さると嬉しいです
続きにたたみます
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どっちも好きなのにどっちも言い出せない的な
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嵐さん出てきますがニーナはいろいろ悶々としてますが、
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* 春のうた *
「ここっすかね」
「ここだな。地図が間違ってなければ」
着いたのははばたき市から電車に乗って、一時間くらい行った先。
新築のマンション入り口はオートロックになっていて、
オレと嵐さんは、その銀色のパネルを前にしている。
この春からハルさんは大学生になって、ここでひとり暮らしをしている。
ハルさん(と嵐さん)の卒業式で大泣きしたオレは、
———正しくはハルさんの卒業式が終わって家に帰って部屋でひとりで大泣きしたオレは、
この日をずっと待っていた。
ハルさんから、来てもいいよって連絡が来るのを。
すっげー嬉しかったけど、
そのメールには「不二山くんと一緒に」という一文がついていた。
ま、そうだよね
ってわかるけど、複雑じゃね? と思う。
オレはまだまだハルさんにとって、一人で部屋に来ていい種類の男じゃないってこと。
「いいマンションっすね〜。オートロックとか。家賃けっこうすんじゃない的な」
「女一人じゃ心配だろうからな。俺が親でもこれくらいはすると思う」
「……嵐さんの将来が見えた気がした」
オレの感想とその前に言った説明を他所に、嵐さんは颯爽とドアに向かって阻まれた。
だから言ってんじゃんオートロックってさぁっていう。
「ああ、いま呼びますから、そうガタガタしないー」
「へぇ。オートロックってそういうことか。世の中進んでんなー」
「……ですね」
オレはメールに書かれた部屋番号を見返しながら、ボタンに人差し指を近づけた。
春なのに服ん中に汗滲ませてるくらいには緊張している。
けど、それがバレないようにがんばってるところなワケで、
なのに嵐さんはとにかくいつも通りなのがなんだかなぁって。
勝ち負けっていうんじゃないけど、どうしても、負けてる気がする。
それでも、呼び出しボタンを押して、
待ってる間の気持ちは、とにかく高揚して何とも言えなかった。
手のひらが汗ばんで、買ったばかりのパンツでさりげに拭う。
「はぁーい」
およそ一ヶ月ぶりのハルさんの声が、スピーカーからひびいて、
オレはパネルをガン見る。
マイク越しの雑音まで記憶したい瞬間だった。
「ニーナ!」
部屋の方ではカメラかなんかでオレの顔が映ってるらしかった。
変わってないねーとか言ってる。
うんかわってない
つかすっげ可愛い声マジ可愛い声どうするオレなんて言うべき?
「ハ、ハルさ」
やっとこ言ったとこで横槍。
悪気はないんだろうけど嵐さんが肩から体当たりしてきて、
オレは恐らく画面からドロップアウトしてるはずだ。
「おー本田ー。俺俺」
「わー不二山くん! 押忍!」
「押忍!」
ちょ、も、待ってよマジパネェし
ドロップアウトしたオレの代わりに嵐さんのドアップがハルさんの目に入ってるって、
想像するだに悔しさMAXなのに、
加えて嵐さんとハルさんはなんかあの頃のままの、意気投合のままの雰囲気で
オレなんかまだ「ハルさ」しか言ってねぇってのに
ずりーって!
「ちょ、嵐さんそこオレのポジション」
「ふたりともいらっしゃい、いま開けるねっ!」
次の瞬間扉のロックは開かれて、
ぷつんと通信は途絶えた。
◇
それでも、ハルさんの顔見たら、一転ウキウキしてしまってるオレって
男として相当甘いんだろうか。
そうなんだ、ってわかってるけど、
オートロック前での一件なんか忘れちゃうくらい、
かんわいいな〜もう! って思っちゃうんだよね。
(……やっべーマジ好きだし)
声に出そうになりながら、冷蔵庫を開けた。
オレの名誉のために断わっておくと、別に勝手にひとんちの冷蔵庫開けたわけじゃない。
一応大義名分はあって、
オレはこの日、新しいディップを披露することになっていた。
ハルさんはそんなに料理が得意じゃないと、高校の時から言っていた。
ここで暮らし始めてからは、ご飯くらいは炊いてるけれど、
というメールとか電話とかをもらっていた。
『野菜とってないんだよね』
という一文を、オレは都合よく解釈して、
んじゃ野菜スティックとかつくりに行ったげようか、って返した。
願わくばその一文が、ハルさんからのサインだといいって、思ったりした。
「…本当になんも入ってねぇし」
パッと見、一見した印象だけど、これは過保護な親じゃなくてもどうかと思うかんじだ。
ジュースなんかも明らかに身体に良くなさそうなのばっかだし。
冷蔵にしなくてもいいのまで入ってるし。
レトルトのカレーとか。
「で、なにこれ」
手に取ったのは薄くて四角いパッケージ。
それには、髪の毛にターバン巻いた女の人のイラストと共に、
『うるおい実感シートパック』と可愛いフォントで書かれていた。
「………」
これは触っちゃいけないものだと、オレの直感が全力で言っていた。
ハルさんの女のぶぶんっていうか、こういうの使ってるってすっげかわいいと思うから、
ていうかオレだってそれなりにそういうことするし?
だからこそ、オレが知っちゃいけないぶぶんなんじゃないかって、なんかそういう
「ニーナ?」
「…!」
オレの行動は素早かった。
ほぼ投げるようになったけど、パックは元の位置にそのまま戻った確信がある。
冷蔵庫はしっかり閉じて、何事もなかったかのように振り返った。
「なんも入ってないじゃん。買い物してきてマジよかった」
「うん、なに買ったらいいのかがまずわからなくて」
「ねぇそれマジで言ってんの? ヤバいって、痩せちゃうよ」
ダイエットにちょうどいいとか言ってるけど、
それ以上痩せる必要ないし。そのままで普通に綺麗だし
と、複雑な思いで、オレは買ってきた材料を並べて、
野菜スティックと新作ディップの準備を始めた。
キュウリとか人参とかを、なけなしのナイフで切っていると、
隣から危ないくらい顔を乗り出して来る。
それを、傷つけないように上手くいなすことの難しさを実感している。
物珍しそうに見る顔とか、ときたまうっかり二の腕が触れ合うことは嬉しいから
無下にあっち行ってて、とか言うのは惜しいんだし
かっこいい男になるということは、そう簡単じゃない。
「ねぇねぇ、私もなにか手伝いたい」
「で、指切んでしょ」
「うーん…じゃぁ運ぶ!」
「おとなしく座ってりゃいいのにぃ、かーわいい!」
その言葉尻を勢いにして、
切った野菜を詰められるだけグラスに挿したのを、ハルさんの手に預けた。
両手で大事そうに持ったハルさんの、
そのときの満面の笑みが、本当に半端なくオレのこころにささる。
オレこのままここで主夫でもよくね?
とか、かなり本気で思ってしまう。
彼女は上機嫌で踵を返して、
嵐さんが待ってるであろうリビングの方へと背中を向けた。
歩き出したハルさんを呼び止めてしまったのは、反射っていうか、防衛本能っていうか
いや、攻めたい本能っていうか
独占欲っていうか
「味見してみる?」
まな板の上に残っていた一本をディップに浸して
オレはハルさんに向かって差し出した。
「ん! いただきます」
一旦向こうへ行きかけたハルさんが戻ってくる、
オレの直前まで来て足を止めて、あーんと口を開けるまでのありさまが、
いっこいっこコマ送りでオレの視界にダウンロードされて
記憶ん中にインストールされてく。
狭いせまいキッチンに
カリッとひびいたいい音と
ハルさんの前歯が作ったあるかなきかの振動は
「どう? うまー?」
「うま! ニーナ天才!」
一瞬だけ、ハルさんはオレに抱きついたような気がした。
気がした、としか言えないのは、
マジ一瞬だったから。
「に、ニーナてんさい…」
抱きしめることもできないこの両腕を
オレはどうしたらいいですか
「……絶品!」
とか言い残したのを見送ったあとまで、
ハルさんが噛み切ってった感触が、オレの指先にいつまでも残っていた。
「あんがと」
たぶん、きっと聞こえない。
オレの声は、ハルさんの残した歯形より、ずっとずっと微かに
キッチンに吸収されてった。
◇
「新名すげーな」
オレの新作は、嵐さんにも好評だった。
「でしょ? ビールとか呑めるようになりたい的な一品めざした」
「おう、来年な。あ、おまえは再来年か」
「ちょ、テンション下がる現実には触れないで欲しかったー」
ハルさんちはオートロックなだけじゃなく、
室内は床暖房が完備されていた。
花冷えの季節、春めいてきたとはいえ日暮れれば少しだけ肌寒いから、
フローリングにぺたんと腰を下ろしても、ほんのりあったかいのがすごくいい感じ。
オレの向かい、嵐さんの隣に座ったハルさんは、
薄い生地の膝掛けを胸までせり上げて、
ローテーブルに頬杖付いて、なんか眠そう。
で、そのまんまの眠そうな声で言った。
「ニーナぁ」
すっげー甘えたかんじに聞こえて、
そんなふうに呼ばれてオレは、肩がびくっと角立てたみたいに緊張してしまった。
「……はい?」
「もういっこ欲しい」
欲しいならハルさんが自分で取れる距離に、
もちろんスティックはまだまだたくさんささってる。
けど、頬杖のままで言う。
「うん、なにがいい?」
「大根がいい」
「はいはい、大根ね」
と、オレが幾分落ちついてハルさんの口許へ、
大根のスティックを持ってってあげられたのには、
何度かそういうやりとりを、この日繰り返したからという、
ただの慣性の賜物だった。
ハルさんは嵐さんの隣に座ってて、
けど、「あーん」をせがむのはオレにだけで、
けど、話が弾むのはオレより嵐さんの方で。
女の子のココロん中って
なんか本当に難しい。
それから、高校であったことのいろいろとか
嵐さんの大学のいろいろとか
ハルさんの大学のいろいろとか
たくさん話をするうちに、テーブルの上に用意したたくさんの食べ物は、
キレイサッパリ残骸になった。
会話に一区切りを付けて、オレは皿とかグラスとかを洗ってた。
もともと眠そうだったハルさんが途中まで手伝ってくれてたけど、
いまにも寝そうで危なっかしいから、あとはオレがって、頃合で部屋に帰した。
洗ったものを、フキンでひとりで拭きながら、
それまでここに立ってたハルさんの、慣れない手つきを思い出した。
なんでそんなに幸せなのか、自分でも少しわからないくらい、
シンクに並んで流れ作業したそのことは、
マジパネェかんじでオレのココロに焼き付いていた。
『こういうのって同棲っぽくね?』
なんて、つい言ってしまったこと。
『うん? お嫁さんみたいってこと?』
『えっ』
『ち、違うか、誰もそこまで言ってないよね、私なに言ってるのかな』
そんときオレは赤くなるばっかで何も言えなかったけど、
だよね、そうだね
本当は、そこまで言えたら良かったよね
と、そう思う。
本当、今更、そう思う。
『き、気にしないで、いまのナシ!』
ナシにできたら良かったと思う。
そんなこと言われたら、
気になるに決まってんじゃん
早めに部屋に帰したのは、そういう理由もあった。
まっ赤な顔したハルさんを隣に置いたまま、それ以上一緒にいたら、
オレ、一人ですっげー先走ってしまいそうで
明日になっても帰りたくないとか言っちゃいそうで。
でも、後片付けのキッチンじゃ
告白するにはなんかアレで
とか、この期に及んでも取り繕いたくなるオレがいた。
こんなじゃ、いつか誰かにとられちゃうんだろうか
いや、マジそれ無理だし
ハルさん、オレアンタのことマジ好きだし
最後の一枚を拭き終わって、急ぎめに棚に片付けてから、
半ば駆け込むようにして、リビングに戻った。
ちょっと話あんだけどって、ベランダかどっかに連れ出すつもりで戻った。
「ハルさ———」
そんときオレが見たものは
見て、この世の終わりとまでに落胆したものは
嵐さんの肩に凭れ掛かって寝入ってるハルさんと、
人差し指を唇に一本タテに立てた、嵐さんの過保護な表情だった。
「しーっ」
「………なんで」
その人差し指は、そのあとハルさんの頭に向かって、
これこれ、寝てんだろ起こすなよというジェスチャーに取って代わった。
ハルさんは、なんていうかすっげー平和そうな顔で寝てた。
「嵐さんずりーって」
「……あ?」
「超ずりぃしー」
嵐さんの目の前で、膝をついてしまいたかった。
けど、そうしたらその拍子に泣いちゃいそうでできなくて
ずかずか進んで嵐さんの真横に滑り込んで上目に睨んだ。
「そこオレのポジションですって」
「……はぁ?」
「替わってください」
「おい新名」
「替わってって!」
ハルさんの背もたれはオレなんだって
誰がなんと言おうとオレがやりたいんだって
「むちゃくちゃ言ってるぞ、お前。今替わったら起こすだけだろ」
「…そうっすけどォ!」
「顔真っ赤だぞ。暑いんか」
「暑いっ! それもすっげー暑い! 憤りもぱねぇし」
「何もぱねぇって?」
「いきどおり、ムカつくってことっ!」
「………ムカつくんか」
「………や、ていうか……あの、なん、ていうか」
嵐さんは先輩だ。
それもただの先輩じゃない。なんでかオレを柔道部にスカウトしてくれた、
嘘か本当かわかんないような誘い文句だったけど、
けどオレの男のぶぶんを見抜いてくれたみたいな気がして、
しゃーない騙されてやっかなみたいな、そういう特別なはじまりを経た、
特別なポジションの先輩だ。
そんな嵐さんに、
けどオレはいま、精一杯で楯突いてる。
楯突くしかない気持ちになっている。
初めから少しも変わらない
少しも敵わない嵐さんを前にして、
いま、俯いて歯を噛んだら泣きそうになった。
「いらいらするのは眠いからだ」
嵐さんはそんなふうに、
ぼんやりした声で言って、オレの頭に手を置いた。
セットしたのが崩れないように、やらかくやらかく置いてくれた。
「お前も寝ろ。肩貸す」
「あ、ちょ、ま、」
そのときのオレがどれだけカッコ悪かったかって、筆舌に尽くし難い。
もふ、と力任せに頭掴まれて引き寄せられたオレ。
されるままに頭を落とした嵐さんの肩は、
固いみたいなやらかいみたいな、分厚いみたいな不思議な感触がした。
いや、正確には嵐さんを隔てた向こうがわのハルさんの感触を
そのときのオレは、何とかして感じようとしてたのかもしれない。
「こんなことしてたんならさぁ、嵐さんにも手伝って欲しかったー」
半分まぶた閉じながらオレが言ったのは、
オレが一人でキッチン片付けてる間に、
嵐さんは眠いハルさんを一人占めしてたってその一点。
「俺が? 台所立てってか」
「だって三人で食ったんだから、片づけだって三人で分けんのが基本ってもんでしょーが」
「お前んちでは男が台所に立つんか」
「嵐さんちは?」
「ない。女がするもんだろ。料理とかそういうのは」
「…ひっさびさに化石級の男子脳みた気がした」
嵐さんにはそういうところがあるって、
知らなかったわけじゃない。
知らなかったのはむしろ、嵐さんがフォローするかのように言い出したそのあとの台詞。
「けど、新名はセンスあるよな」
「センス?」
「うん。なんだろ、服とかもどこにそんなの売ってんだって、俺にはわかんねぇけど、」
見てくれてるとこは見てくれてるみたいで、
続ける言葉を失ってしまった。
「そんなふうにセンスいいから、料理もうまいんか、って思った」
「………褒めてもなんにも出ないっすよ」
「腹一杯だから、別になんもいらねぇ」
「……ふーん」
なんだろ
すっげー眠い
「寝るか」
「……そっすね」
明るいとこで寝るのは、ほんとはあんま好きじゃないのに
自分でもビックリするくらい自然に
オレのまぶたは閉じてった。
◇
次に目覚めたのは真夜中だった。
電気はそのまま点いてたけど、静かすぎて真夜中っぽいって感じがしたってこと。
「ん…あっつ」
どうやらオレは頬をフローリングにペッタリ付けてる姿勢で、
床暖房と膝掛けにくるまれているらしく、服の中がすっげー湿度になっていた。
それだけじゃなく、身体がぴくりとも動かない。
(……カナシバリ?)
ちょ、オレそういうのダメだしマジタンマと思って、
ほぼ叫びだしそうになったところで首だけは動かせることを知った。
と同時に、寝入った嵐さんとハルさんが、ふたりしてオレのほうへ、
十分な体重をかけてなだれてきてることを知った。
嵐さんが相当筋肉質の身体をしていることは想像に難くなく、
そして想像以上に筋肉質らしく、すこぶる重くて、
このまま朝まで圧迫されたらオレ絶対死ぬと思う。
なんて半分寝ぼけながらも、やっぱ嵐さんの向こうがわに、
ハルさんの僅かながらの体重を探してるオレがいるのも事実だ。
ハルさんは、さっきまで背もたれだった嵐さんを、
こんどはベッドにしてくうくう寝てるんだろう。
平和そうな顔してさ。
すっげずりぃと思うけど、
オレは自分を納得させるために、こう思うことにした。
“オレと嵐さんが、ハルさんのほうになだれなくてよかった”
アンタのこと、男ふたりぶんの筋肉でつぶさなくてマジよかった
んなことしたら、オレ、さすがに泣きそう。いや、泣く。
今のオレにできることは
揺らさないようにこの重みに耐えることで
朝までフローリングに這いつくばって、アンタのこと静かに寝てられる土台を作ることで
ねぇハルさん
起きたらさぁ
で、そんとき幸いにしてオレまだ無事に生きてたらさぁ、
せめてハルさん、男の仕事がんばったオレのこと、かっこいいって言ってくんない?
嵐さんより少しだけ早く起きてさ
春が運んでくる桜の匂いの、
朝靄のベランダでさ
言おうと思う、オレ、マジで
やっぱオレ、アンタのこと欲しいって
聞いてくんない?
寝ぼけた勢いでもいいと思う。
けど、できれば勢いじゃなくて本気で、
アンタもオレのこと好きって
アンタの声で聴けたらマジ報われる
悪夢見そうな重みの中で
くっついてく上下のまぶた。
電気消すリモコンどこだっけって
震える指先で、ローテーブルに手を伸ばした。
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