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rococoro
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2010/11/23 (Tue) 02:37
不二山×バンビで嵐さんの部室デート
ようやくくっつくかくっつかないかまで来ました
呼び捨てまで来ましたが、うん嵐さんがんばれ的な

ほんのちょびっとだけえろいかもです
続きにたたみます






* 完全試合 *




悠を部屋に呼んだ。
別に、何の日というわけでもなく、
なにをするからってわけでもなく、


“次の休み、空いてたら来るか?”


みたいな感じで呼んだだけだ。
そして、俺の部屋はすこぶる普通の部屋なのと、
なにをして過ごすかの計画を立てていなかったから、
当然のように特にすることがなかった。


と、いうか、最初は少しだけ話をしていた。
けど、なんでかすげー短けぇスカートはいて来てるから、
膝に掛けとけ、って俺が着てたジャンパーを渡した。
そのへんから、ちょっと隣に座っていづらくなったっていうのはある。


音楽でも聞くタイプなら、CDとか探したり、かけたりしたんだろうけど、
俺の部屋にはそういうのないし
漫画読むか、って言ったら「ううん、いい」って言うし
唯一見せられそうなものとして思い出したのが、中学んときの卒業アルバム。


見るか、って言ったら「うん、見る」って言うから、
押し入れを開けてごそごそやってるところだ。
けっこう奥にしまわれているみたいで、
俺の周辺はいつしかガラクタだらけになってしまっていた。


「あ」


と、俺は思いついて言った。
けっこう待たせてる。わかんねーけど、たぶん。


「茶でも飲むか? それよか、ジュースのがいいか」
「不二山くんは?」
「俺か?」
「うん」


振り返ると悠は編み物をしていた。
俺がなんも計画を立ててないのをわかってたんだろうか。
用意のいいヤツだ。


「そうだな。俺はホットココア。かな」
「同じのがいい」
「わかった。じゃ、少し待ってろ」
「ほーい」
「返事は短く」
「ほい」
「じゃなくてハイ」
「はい!」


部屋の襖を閉めてから、階段降りていきながら、
なんかいまのかわいかったな、とか思っていた。
お袋がココア入れてくれながら、悠のことを彼女なのかと聞いてきて、
つい「かわいいやつ」って言ってしまったくらいにはかわいかった。
“彼女”じゃねぇんだから、間違ってはいないはず。


たぶん。わかんねーけど。


全然いやな気分じゃなかった。
それだけは本当だ。







部屋に戻ると、座ってたはずのところに悠がいない。
空っぽの座布団から視線をずらすと、開けっぱの押し入れの前にいた。
正確には、散らかったガラクタの海へと膝で進んで、
その中のひとつにうんと手を伸ばしているところだった。


ひとことで言うと、
後ろから見てると言葉が出なくなる姿勢だった
主にそのスカートの裾らへんが
短すぎるスカートの裾らへんが


「は、悠ッ!」


たぶん怒ったみたいな声になったはずだ。
悠が反射のようにしてこっち向けた顔が若干ビクついてるから。


「ご、ごめん、勝手に触っちゃって」
「おう、勝手に……ってそっちかよ違うだろ」
「…そっちって?」


ああもう
こいつ、たぶん俺よりなんか抜けてる
いや、俺よりっつか、俺とちょっと違うとこが明らかに抜けてる


ココアをこぼさないようにだけのギリギリの配慮をしながらデスクに盆を置く。
その手でジャンパーを取り上げて、悠のほうへずかずか進んだ。
掛けとくだけじゃだめだ、腰に巻いてくくっとくくらいさせないと
そのうち俺が保たなくなる。保つはずがない。
これは、たぶんじゃなくて絶対で、明らかで確かなことだ。


「あ、不二山くん足元」
「あ?」
「だからあしもと———」


足首に、細いものが絡んだ気がして
つか絡んで



なんでこんなとこに毛糸が転がってんだって



視界が、かくんと段になって落ちてった。
悠の目が まつげが またたいてるのまでクッキリ
はっきり見えるとこまで、俺は重力のままにこけてった。


「……っ、ん!」


悠は俺に押されて倒れてく。
その背でガラクタがガシャガシャ音を立てる中で、
ものすごい至近距離でそんな声聞きながら
顔面が埋まったところはすげーやらかいところで、
かつものすごくいい匂いがした


ここどこだと
同時に、つぶすんじゃないかって、すげーこわくて


整理の着かない頭の中で、ひとつだけ、
とにかく、抱きしめないとと思った。
そればっか思った。


「は、悠!」


埋まってた谷間から顔を上げた。
胸が詰まりそうになりながら伸び上がって、頭を撫でたりしてみるが、
どうやら目は開いている。


「大丈夫、う、うん、大丈夫だから!」


意識も言葉もはっきりしている。


「ほんとに、どこも打ったりしてねぇか?」
「ほ、んとに、大丈夫」
「潰れてねぇ、よな?」
「つぶれて?」
「だからその……」


なにがとはハッキリ言えなかったし
ハッキリと見ることもできなかった、
俺の胸でうっすら接しているそこはちゃんと柔らかかった。


「不二山くん…?」
「……うん。ならいい」
「なにが?」
「いいだろなんでも。あるならいい!」


ペラリと剥がれるしかできなかった俺を、悠はどう見ただろうか。
あっち向いて、腕を伸ばすだけ伸ばしてジャンパーを渡した。
顔がすげー熱かった。


「……腰んとこでくくっとけ」
「なんで、くくったらもこもこになっちゃう」
「くくっとけ!」
「……はいはい」
「返事は一回」
「はーい」


短く、も付け加えようとして、
その顔でたぶん察した悠は、


「ハイ」


短く修正してから立ち上がった。
ナイロン素材がカサカサ衣擦れる音がする。
起こったことは一瞬だったけど、
いろんなことをたくさんしたあとのような飽和感だけ残っている。


「不二山くん」
「…んー?」
「さっき、ちょっとドキドキした?」
「するだろ普通」


不貞腐れて、座ったままでココアの盆を畳に降ろしてきた。
狭い部屋で良かった。


「そっか。そっか、ならよかった」
「なんもよくねーだろ」
「ドキドキしたのわたしだけじゃなくてよかったもん」
「……ッ!?」


飲めなくなったし
危うく吹くかと思うだろ


「おまえな」
「うん?」
「……やっぱいい。飲め」
「はい!」


こんなときだけいい返事。
さっきと同じように、隣の座布団に座った悠。
膝までしっかりもこもこになってくれた悠。
卒業アルバムはその上にきちんと置かれた。


「こほん。それでは、気を取り直してアルバムを見ましょう」
「へーへー」
「返事は短くハイ」
「………」


間違いない。
今日は俺の完敗だ。




---あとがき---
バンビが編んでたのは、これよりだいぶあとにならないとできあがらない、
クリスマスとかバレンタインとかにまにあうといいなと思っているものです
嵐さんは、ないしょで編んでくれても編んでるよって言ってくれても喜んでくれそうなのがいい
そのへんの後日談ぽいものも書きたいです^^





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